江戸時代の女性は生理のときどのように処理していたのか?
現代の女性たちは生理用のナプキンやタンポンで処理していますが、そうしたモノのなかった江戸時代の人たちは、生理のときにはどのように対処していたのでしょうか?
現代人が普通に使用しているパンティのような下着もなく、困ることはなかったのでしょうか?
実は、あまり困らなかったようなのです。
当時も手作りナプキンがあった
江戸時代には、ぼろ布や浅草紙を、ふんどしのようなもので包んで押さえることがあったようです。
浅草紙というのは使用済みの和紙、たとえば筆で文字を書いたあとの紙を水にぬらし、たたいてくだき、すいて平らに薄くのばしたものです。
現代風にいえば、再生紙です。とても安いために、庶民の間ではよく使われていました。
トイレットペーパとして使われるほか、生理の際にも丸めてナプキンかわりにされていました。
天然素材をそのまま使った!?
都市部では浅草紙などを使うことができましたが、農村部にはそんなものはありません。
紙そのものが貴重品ですので、トイレや生理などに使うわけにはいきません。代わりに、田舎には天然の素材がたくさんありました。
綿やススキの穂など柔らかいものをナプキン代わりに当てたり、タンポンのように膣に挿入したりもしていたようです。
田舎のことゆえ、垂れ流しにしているケースも少なくなかったようです。
江戸時代には「血」は不浄のものとされていましたので、農村部では生理期間中は家族とは接しないように離れなどの別の部屋で生活することもありました。
誰とも接しないため、生理の血を気にすることもなかったのかも知れません。
富裕層ではサラシの布も使われた!?
裕福な家庭の女性たちはサラシの布をフンドシのように巻いたり、布をあてたりしていました。赤ちゃんのおしめのようなものなので、その都度洗わなければなりません。
また遊女たちの中には、和紙をたたんでタンポンのように膣内に挿入しておく人もいました。
当時の女性は膣を締める力が強かった!?
江戸時代の女性たちは膣の力で生理の血液を漏らさずためることができたそうです。
これは、江戸時代に限ったことではなく、昭和の前期頃まではそうしたことのできる女性は少なくなかったようです。
常に着物を着てすり足のような歩き方をしていたために、股間の筋肉が鍛えられていました。
そのため膣を締めつける力も強く、意思によってぴったりと閉じておくことができたのでしょう。
膣内にためておいた血を、用をたす時に尿を出すのと同じ要領で一気に排出していたのです。
現代の女性でも、入浴中は膣をしめて漏れないようにすることのできる人はいますが、鍛えれば誰にでもできるようです。
これは経血の多い人のための、コントロール法としても知られています。
生理の出血そのものが少なかった
一説によると、月経のときの出血は、体内の毒素が多いと多くなるそうです。
江戸時代の人々は、農薬も防腐剤も、大気汚染も化学化合物もない環境で生活していたため、体内に毒素がたまらず、生理の出血そのものが現代人に比べてはるかに少なかったと言われます。
そのため、出血してもサッとふくだけですんだのだとか。生理痛に悩まされるという人も、めったにいなかったようです。