お金で武士の身分を買う

江戸時代は農民でもお金を払えば武士になれたって本当?

江戸時代は農民でもお金を払えば武士になれたって本当?

ある程度の年齢の方は、江戸時代の人々は士農工商という四つの身分に分けられていたと学校で教わった記憶があると思います。

 

しかし、現代ではそれらは学説的に否定されており、学校の教科書からも「士農工商」の項目は削除されています。

 

とはいえ、江戸時代の職業が世襲制であったことには変わりなく、よほどのことがなければ武士の子は一生武士、農民の子は一生農民であったわけです。

 

ましてや、農民が武士になるなどということはありえないと一般には思われています。

 

しかし、驚くべきことに、世襲制であるはずの武士の身分を農民がお金で買うことができたのです。

 

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武士になるための料金表が存在しました

特に江戸後期になると、お金を出して武士の身分を得る人が多かったようです。それだけ武士という身分に憧れる人が多かったのでしょう。

 

これらのお金で武士の身分を買った人々は「金上侍」と呼ばれました。

 

驚くべきことに、藩によっては武士になるための料金を表にしていたところもあるようです。

 

武士になるための料金表があるなんて信じがたいことですが、事実です。

 

例えば独眼竜伊達政宗で有名な仙台藩などは次のような料金体系になっていました。

 

「百姓に帯刀を許す」のに必要な料金は50両。

 

「百姓に苗字を許す」のに必要な料金は100両。

 

「百姓が武士の戸籍に入るのを許す」のに必要な料金は250両。

 

つまり、現代の貨幣価値になおして、およそ2500万円程度のお金を積めば、百姓から晴れて武士になることができたということです。

 

しかし、よほどの豪農でもなければ、おいそれと百姓が出せる金額ではありません。

 

やはり、武士になるにはそれなりに敷居は高かったと言えるでしょう。

 

料金があまりに高く希望者が少なかったためか、後にこれらの料金は半額にされたようです。

 

半額になったとはいえ高額であることには変わりなく、武士という身分を得るにはそれだけの価値があると仙台藩では考えられていたのでしょう。

 

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格安料金で武士になれた盛岡藩

このように仙台藩で武士の資格を得るには、それなりの金銭的に高いハードルがあったのですが、同じく東北の盛岡藩の場合は仙台藩に比べるとかなり格安でした。

 

40両から50両で武士の身分を買うことができたようです。

 

現代の貨幣価値に直すと、400万円から500万円程度となりますので、仙台藩の料金と比べるとだいぶ割安感はありますし、現実的な気がします。

 

仙台藩が現代でいえば家1件分の料金なのに対して、盛岡藩は高級車1台分といったところでしょうか。

 

仙台藩と比べてだいぶ割安だった盛岡藩の料金ですが、それでもあまり希望者はいなかったようで、後にこの料金は3分の1に下げられたようです。

 

130万円から170万円程度で武士の身分が買えてしまうというのは、なんとも驚きです。

 

どこの藩も財政事情が厳しかったのでしょうか、武士の身分をお金で売っていたという事実にも驚かされますが、それが最後は投げ売り状態だったということに少なからぬ哀れみさえ感じてしまいます。

 

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