江戸の千両役者

江戸の千両役者は本当に年収が千両あったのだろうか?

江戸の千両役者と呼ばれる人の本当の収入は?

演技のうまい役者さんのことを「千両役者」などといいます。

 

「いよっ!千両役者!」などと威勢の良いかけ声が飛ぶことがありますね。

 

これは江戸時代の人気役者が、たくさんのお金を稼いでいたことからそう呼ばれるようになりました。

 

千両といえば、いまのお金に換算して1億2800万円です。

 

しかし、江戸の千両役者と呼ばれる人は、本当に年収が千両もあったのでしょうか?

 

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初代の市川団十郎の収入は800両だった

結論からいってしまうと、千両役者といっても必ずしも千両の収入があったわけではありません。

 

千両役者というのはその役者が稼いだ金額のことを言っているのではなく、顔立ちが立派で演技力が高い人気役者のことを一般的にそう呼んでいたわけです。

 

もちろんそういった主役級の役者はそれなりの金額を稼いでいたこともあり、千両という金額のインパクトの強さから語呂がいいのでそう呼ばれるようになったのでしょう。

 

ちなみに初代の市川団十郎が、一番稼いでいたときでも800両程度だったといわれています。

 

それでは、実際に千両を稼いでいた役者はいなかったのでしょうか?

 

最初に千両を稼いだ本当の千両役者は誰?

千両役者というのは、あくまでも主役級の役者をそう呼んだものであって、その多くは実際に千両の収入があったわけではありません。

 

しかし、年間に千両を稼いでいた役者も実際にはいました。

 

最初に千両を稼いだ役者は、上方歌舞伎を代表する吉澤あやめや、荒事芸を確立した二代目市川団十郎だといわれています。

 

寛保元年に、大坂にある佐渡島座に二代目市川団十郎が二千両もの大金で迎え入れられたという記録が残っているようです。

 

二千両といえば、2億5600万円です。

 

ちなみに、現代の俳優さんの年収はといいますと、2014年に放送された「ナカイの窓」によれば、あくまでも推定の年収ですが、1位が福山雅治の7億円、2位が堺雅人の3億8000万円、3位が木村拓哉の2億7000万円となっています。

 

江戸の千両役者も顔負けの、まさに現代の千両役者といえそうですね。

 

ただし、江戸時代の役者さんとくらべて現代の役者さんは、映画、ドラマ、舞台、CMなどさまざまな活躍の場があります。

 

特に、1位の福山雅治と3位の木村拓哉は、役者だけではなく歌手活動による収入も大きいと思います。

 

そういった点を考えた場合、舞台だけで千両を稼いだ江戸の役者は、まさにスーパーヒーローと呼べる存在だったに違いありません。
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寛政の改革により千両役者いなくなった?

11代将軍徳川家斉のもとで老中首座にあった松平定信が行った寛政の改革は、緊縮財政や風紀の取締りによって幕府財政の安定化を目指したものです。

 

この寛政の改革において、高額だった歌舞伎役者たちの給料にも規制がかかるようになりました。

 

最高が尾上菊五郎の500両となり、坂東彦三郎の450両、尾上多見蔵の400両と続きます。

 

幕府が歌舞伎役者の給料まで事細かに決めるとは、ちょっと驚きですね。

 

さら水野忠邦が行った天保の改革ににおいて、歌舞伎はさらなる厳しい統制を受けることになります。

 

奢侈禁止が徹底されるにあたって、庶民の娯楽であった歌舞伎は目の敵にされてしまったようです。

 

天保13年には、7代目市川団十郎が奢侈を理由に江戸の町を追われています。

 

大根役者はなぜそう呼ばれたのか?

演技の上手な千両役者に対して、演技の下手な役者のことを「大根役者」などといいます。

 

そもそもこの大根役者とうのは、どういう理由でそう呼ばれるようになったのでしょうか?

 

実は演技の下手な役者がなぜ大根役者と呼ばれるようになったのかについては、はっきりとした理由はよくわかっていないようです。

 

演技のうまい人は玄人、それに対して下手な人は素人ということで、「しろうと」と大根の色である白をかけ合わせて大根役者となったという説があります。

 

また、あまりにも演技が下手なので人間の役をやらせてもらえずに、いつも馬の役ばかりやらされていることから、馬の脚で大根を連想させたという説もあります。

 

さらに、演技の下手な役者があまりにも使えないときに「舞台からおろす」などという表現を使いますが、この「舞台からおろす」という言葉から「大根おろし」を連想させることでそう呼ばれたという説もあります。

 

その他にもさまざまな説があるようですが、どれが本当だかは分かりません。

 

いずれにしても、江戸時代の人のダジャレのセンスが生かされて生まれた言葉が「大根役者」ということになるのでしょうか。

 

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